食物アレルギーと仮性アレルギー
「アレルギー」という言葉は、みなさんご存知だと思いますが、アレルギーと一言でいっても 実は知られていないことがたくさんあります。
■仮性アレルギー
食物アレルギーによるアレルギー反応では、アレルゲンを摂取すると体の免疫機能がヒスタミンやロイコトリエンなどの化学を分泌することで異物(=アレルゲン)から体を守ろうとしますが、この化学物質がかゆみや湿疹・炎症を引き起こしています。
ところが、食物の中にはヒスタミンやロイコトリエンそのものに似た物質を持っているものがあり、その食物を食べたときにアレルギーのような反応を引き起こすことがあります。
この物質が「仮性アレルゲン」と呼ばれています。
ヒスタミンが含まれる代表的な食品
→ほうれんそう、トマト、なす、とうもろこし、さば など
セロトニンが含まれる代表的な食品
→トマト、バナナ、パイナップル、キウイフルーツ など
アセチルコリンが含まれる代表的な食品
→トマト、なす、たけのこ、やまいも、さといも など
サリチル酸化合物が含まれる代表的な食品
→トマト、きゅうり、じゃがいも、イチゴ、りんご、メロン など
■アレルギーのような症状がでる交叉反応
交叉反応とは もともとアレルギーがある物質と似た分子構造のたんぱく質をもつ食材を食べた際に、体の免疫反応が誤動作をおこしアレルギー症状を起こす事をいいます。
食物アレルギーはなくても 花粉症を持っている方が、花粉と交叉反応を示す食物を食べた際に皮膚症状がひどくなることがあります。
そのため、食物のアレルギー検査をしても陽性反応を示すことは少なく、皮膚科で検査をしても食物アレルギーはありませんという診断に...。
以下は、交叉反応があるとされているものです。
・シラカバ花粉 → バラ科の果物
(例)リンゴ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アーモンド、西洋ナシ
・ブタクサ花粉 → ウリ科の果物
(例)メロン、スイカ、キュウリ
・スギ花粉 → ナス科の野菜
(例)トマト
また、花粉症はラテックス(天然ゴム)との交叉反応もあるため 花粉症を持っている方が手荒れが悪化すると、皮膚のバリアがなくなり、それまで平気だったゴム手袋に反応して手がパンパンにはれてしまったという方もいらっしゃいます。
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