「水泡ができはじめる→増えた水泡を掻きつぶしてジクジクする→つぶれた水泡などが乾いて割れて痛む」という経過を春から夏にかけて繰り返していませんか?
春夏にかけてできる手肌の水泡でお悩みなら、「汗疱(異汗性湿疹)」と言われる症状かもしれません。春から夏にかけて紫外線の強い季節に再発・ 悪化を繰り返す特徴があり、指の側面や爪の周囲、手のひらの一部を中心に水泡ができる場合が多く、良くなったかなと思ってもすぐに繰り返してしまう傾向があります。
暑い季節に手に水泡ができるため手汗が皮膚の下にたまったものという説もありますが、4月後半から6月前半の暑さはまだまだこれからという時期に、すでにピークをむかえている方が多いようです。つまり、暑さや汗の量が手湿疹の直接的な原因ではなく他に原因があるということが近年わかってきました。
紫外線は 以下のような種類があり、右にいくほど波長が長くなります。
UVC < UVB < UVA < 可視光線 < 赤外線
UVBは表皮まで届く比較的短い光線で、日焼けの原因になります。UVAより右側の光線は すべて真皮まで到達する光線で細胞にダメージを与え、炎症や老化、しみ、しわのなど様々なトラブルの原因になります。このUVAは、地上に届く太陽光のなかの95%以上をしめていて、とくに4月〜6月に増える傾向があります。最近では
ゴールデンウィーク前後から急に悪化する方が急増しており、「多形日光疹」とよばれる紫外線が急に強くなる季節に体の免疫力がついていけずアレルギー反応を起こす光線過敏による症状も増えています。
少しずつ紫外線にならすことで、アレルギー反応が起こりにくくなるとされています。春先から日焼け止めを併用して少しずつ日光に馴らしましょう。車の運転や長時間屋外で過ごされる際は、UV効果のある手袋の着用をおすすめします。
スキンケアのポイントとしては、手浴がおすすめです。水道水でかまいませんので、洗面器などに水をためて15分〜20分ほど手を浸します。その後に油性成分の少ないジェルベースのクリームなどを塗布します。暑い時期は、氷を数個入れた状態での手浴がおすすめです。
セルフチェックに戻る↑
一般的に「手荒れ=寒い季節」と思われがちですが、
最近では季節に関係なく手肌の悩みでお困りの方が増えています。
刺激の強い薬品を使われる方や水仕事を長時間される方など、原因に心当たりがないにも関わらず一年を通して手肌の悩みが続いている場合、気付かない間に日常的に原因との接触が発生していることが考えられます。
これまでのご相談の中で実際にあった事例をご紹介いたします。
- 機械(部品)を扱う工場でのお仕事
- 食品工場でのお仕事
- 調理師のお仕事
- 趣味でゴルフをされている。
- 医療関係のお仕事
- 学校や幼稚園で粘土を使う機会があるお子様
工場でのお仕事の方は薬品がベタベタに付着する機械油が原因だと思っていましたが、実際には手を保護するために使用していた軍手に使われている滑り止めの突起部分の素材が原因でした。
食品工場の方はゴム手袋が原因だと思い中に綿手袋を重ねていましたが、まったく意味のない回避策でした。
調理師の方は、ラテックス(天然ゴム)アレルギーをさけるために使用していた手袋(ニトリルや塩化ビニール)に使用されてる添加剤が原因でした。
趣味でゴルをされている方は、ゴルフクラブのグリップ部分のゴムの素材が原因でグローブをしない手がとくに酷い状態でした。
医療関係のお仕事の方は、患者さんがアレルギーの可能性があるためラテックス(天然ゴム)ゴム手袋は避けていることが多いのですが、使い捨ての手肌に密着するタイプの手袋を長時間つけっぱなしで勤務することが多く、手汗で内部が蒸れることが原因の接触性皮膚炎が原因でした。
粘土を使うお子様は、小麦にアレルギーがあり粘土に含まれている小麦由来の原料が原因でアレルギー症状が誘発されていました。
これらはあくまでも一例です。
手袋やゴム製品をお使いになる方は詳しくご案内していますのでご参照ください。
セルフチェックに戻る↑
ゴム(ビニール)手袋を日常的に使用するかたは、手袋の素材を必ず確認してください。素材がラテックス(天然ゴム)の場合は、手の症状の原因になっている可能性があります。別の素材にすぐに切り替えましょう。
ラテックス(天然ゴム)にアレルギーが無い方でも、手肌にダメージがある状態で使い続けると、今後発症するリスクが高いため別の素材に切り替えることをおすすめします。
ラテックスアレルギーの原因物質は天然ゴム由来の水溶性タンパクのため、内部が蒸れやすいゴム手袋の下に綿手袋を重ねても予防することはできません。必ず別の素材に切りかえる必要があります。
作業用の手袋や軍手は、ビニールやゴムの手袋ではないので手の状態とは関係ないと思われがちですが、滑り止めの突起などゴム(ラテックス)が部分的に使用されているものが珍しくありません。
又、ラテックス(天然ゴム)以外の手袋の場合でも、製造時に用いられている「加硫促進剤」「可塑剤」が悪化の要因の1つであた症例も報告されています。以下参考に手袋を切り替えましょう。
ニトリル製のゴム手袋
アレルギーの心配が少ない素材です。ただし、手に密着する薄い使い捨てタイプは伸縮性を向上させるために加硫促進剤が多く用いられているため接触性皮膚炎(かぶれ)のリスクが高くなります。ニトリル製の手袋は、繰り返し使えるタイプがおすすめします。
接触性アレルギーは遅延性で自覚するまでに24時間〜48時間かかることが多く、手袋が原因だと気付いていない方がとても多くいらしゃいます。
加硫促進剤で注意喚起されている化学物質として以下のものが挙げられています
・ジチオカルバミン酸/カルバメート
・ジフェニルグアニジン(DPG)
DPGは、ラテックスフリーの手袋として販売されているポリイソプレン手袋に使用されていることが多いのでご注意ください。最近ではアレルギーの一因となる加硫促進剤未使用のゴム手袋も数社より販売されています。
<例> ベルテキマックス(商品名) / ネオプレンゴム(素材名)
接触性アレルギーは遅延性で自覚するまでに24時間〜48時間かかることが多く、手袋が原因だと気付いていない方がとても多くいらしゃいます。
塩化ビニール製のゴム手袋
アレルギーの心配が少ない素材とされていますが、手袋の原料を軟らかくするために用いられる可塑化剤が、肌に合わない方もいらっしゃいます。(可塑化剤とは軟らかくするために用いられる添加剤です。)
おすすめしているのは、「加硫促進剤未使用」のニトリル性の手袋 又は 塩化ビニール性の手袋で繰り返し使えるものです。使い捨てタイプの手に密着するタイプの手袋は内部が蒸れやすく、皮膚炎の原因になりやすいので手肌悩みが深刻な方にはおすすめしてません。
セルフチェックに戻る↑
お使いになっている手袋が天然ゴム製ではないにも関わらず、何をやっても手肌悩みが続いていませんか?
天然ゴム製の手袋が良くなかったと判明して、早速ゴム手袋をラテックス(天然ゴム)からニトリルに切り替えられたのに手肌の悩みが解決されていない方もいらっしゃると思います。
日常的にゴム手袋をお使いになる方に多い手肌悩みの原因としては次の2つが上位を占めています。
- ラテックス(天然ゴム)によるアレルギー
- 加硫促進剤による接触性アレルギー
対策3で記載しましたが、ラテックス(天然ゴム)アレルギーは 即時性アレルギー
のため、ラテックス(天然ゴム)との接触がなくなると比較的早い段階で改善してくると思います。
一方、接触性アレルギーの場合は遅延性のため、影響が表面化するまでに24時間〜48時間かかるとされていて、原因物質がつかわれている手袋を使用してすぐに痒くなることや、中止してすぐ改善してくるということが少なく、ある程度時間がかかえります。
そのため、手袋を切り替えても改善しているとは思えないと、元の手袋へ戻してしまったり手袋が原因ではなかったと結論づけてしまう方が多いようです。
対策3でご紹介しました手袋の選び方を参考に、手部袋を買い替えて頂いたら少なくとも1ヶ月は様子をみていただくことをおすすめいたします。
セルフチェックに戻る↑
爪周囲を中心に症状がつらい方でジェルネイルしている場合は、UVライトの紫外線やLEDライトの可視光線が原因の可能性があります。
※可視光線(紫外線)と手肌悩みの関係についての詳細は
※対策1をご参照ください。
紫外線は 以下のような種類があり、右にいくほど波長が長くなります。
UVC < UVB < UVA < 可視光線 < 赤外線
UVBは表皮まで届く比較的短い光線で、UVAより右側の光線はすべて真皮まで到達する光線で細胞にダメージを与え、炎症や老化、しみ、しわのなど様々なトラブルの原因になります。
このUVAは、地上に届く太陽光のなかの95%以上をしめていて、とくに4月〜6月に増える傾向があります。春〜夏にかけて水泡の再発・悪化を繰り返す手肌の症状の多くは、紫外線(UVA)が関係している場合が多くみられます。
LEDライトは紫外線よりもさらに波長が長い「可視光線」と呼ばれる光です。
普通に生活している限り、可視光線が原因で炎症が起きることはまずありませんが、ジェルネイルの際に使用するLEDライトのように通常は浴びることがない強い光を局所的に、しかも集中して照射しさらにこれを繰り返すことで皮膚の内部で炎症の原因になるとされています。
「手肌悩みがないころからジェルネイルをしているので、私の原因は違うと思います。」
とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、残念ながら花粉症と同じで最初からアレルギーであるわけではなく、皆さんあるときに発症されますので 手肌悩みのある方はネイルはお控えいただくことをおすすめします。
セルフチェックに戻る↑
美容師の方
手を洗う回数が多い職業の方に共通して言えることですが、夏だけでなく年中続く方の多くが 手袋を使う際の蒸れが原因による接触性皮膚炎を併発されていたり 洗剤だけでなく水を使う頻度が多い時期に角層が湿る(ふやける)→乾くを繰り返すことで皮膚バリアが衰え、どんどん悪化してしまうケースがあります。
手肌悩みの原因には様々あるのですが、手が濡れた状態や湿った状態になることが多いお仕事の方にリスクが高まるとされています
使用する薬剤によるものが多いと思われがちな美容師さんの手荒れですが、実はまだパーマやカラーなどを担当していないアシスタントの方に重症化が多くみられます。
パーマーや毛染めの施術の際は、必ず手袋をお使い頂く必要があることは言うまでもないのですが。それでも手肌の悩みが原因で、夢だった美容師のお仕事をやめざるをえなくなる方も少なくありません。
実は直接的な原因は薬剤でなく、シャンプーとブローを担当する機会が多いことで
手が濡れる → 乾く
という状況を繰り返すことで、皮膚バリア機能が失われてしまいとくにアレルギー物質の刺激をうけなくても手肌悩みが発生してしまいうのです。温風を繰り返し受けることで、角層がボロボロになってしまうことも...
濡れたままで手の水分が出来る限り奪われないために、保護膜の役目をしてくれるクリームをこまめに塗ること。そして、なかなか難しいと思いますが、シャンプーなど手を濡らす作業の際は必ずゴム手袋を装着して手が濡れる時間をできるだけ減らしましょう。手袋の素材が原因にならないように、素材はラテックス(天然ゴム)は絶対避けましょう。(詳しくは対策3を参照)
飲食・食品関連のお仕事の方
同じように 手袋をはめていることが必要条件になる食品工場で働く方も手袋の素材によるアレルギーだけでなく手袋をしていることで起こる蒸れが原因になっていることが多く挙げられます。
そのうえ、食品を扱うお仕事では消毒剤の使用が不可欠なため美容師さんのドライヤーの温風と同じく、アルコールなどの消毒液によって角層がダメージを受けて手肌の潤いがキープできずボロボロに...。
おすすめは、凍結乾燥したパウダー状の竹酢液(整肌成分)「Hand&Bodyプロテクトパウダー」を手袋を装着する前に手肌に擦り込んでいただくこと。パウダー1粒1粒が竹酢液の整肌成分を抱え込んだ状態になっいて、手袋内部の湿気と反応して抱え込んでいる成分が手肌の角層に浸透します。
又、消毒液を塗布する前にできればクリームなどをしっかり浸透させてからお使いになると消毒液の刺激をやわらげる効果が期待できます。
上記以外で手に影響があるお仕事の方
工場でのお仕事の方は、手に付着するベタベタした油や薬品が手肌悩みの原因だと思っている方が多いのですが、実際にご相談頂く方の中には手を保護するために使用していた軍手に使われている素材が原因である方がいらっしゃいます。
軍手や作業用手袋をしていても、油(薬品)が染み込んでしまうので、軍手の中にゴム手袋やビニール手袋をかねている方もいらっしゃいます。
良かれと思ってやっていたこの手袋の重ねづけが、悪化の原因だったというケースがあります。手袋内分蒸れやラテックス(天然ゴム)アレルギーの発症などが考えられます。
作業用の手袋の場合、アレルギーのリスクの少ない素材でできた専用の手袋も販売されていますので 切り替えましょう。手袋の素材についての詳細は。対策3及び対策4をご参照ください。
ラテックス(天然ゴム)以外に、皮革製品による接触皮膚炎は製造業などで発症される方がいらっしゃいます。天然皮革は、「なめし」という工程でさまざまな化学物質が使われていますが、多くは合成の脂がつかわれていて、これが原因になることがあります。
症例が多いのは、なめしの工程で使用されるクロムやホルムアルデヒド、接着剤として使用されている樹脂成分があります。
ゴルフを愛好されている方で手のひら部分にとくに酷い手肌悩みがある場合は、クラブのグリップの素材ご確認ください。又、グローブの素材も確認しましょう。
小さなお子様で学校で粘土をさわる機会がある場合、粘土に小麦や米由来の原料がつかわれているなどアレルギーを誘発してしまう場合があります。食物アレルギーが判明しているお子様の場合は、減量にアレルギーの危険性が少ない原料でつくらえれた粘土がありますので、学校にお願いして持参させてあげるなどの対応をしてあげてください。
セルフチェックに戻る↑
最初は手荒れだけだったのにどんどん悪化して、気が付いたら手首から腕へと湿疹が 広がってきた...。
こんな状態にお心当たりがあれば、それは「自家感作性皮膚炎」とい う状態かもしれません。
「自家感作性皮膚炎」とは、手湿疹などの皮膚炎が悪化して増強したリンパ球が血流により他の部分にも皮膚症状を引き起こした状態です。
大切なのは、初期段階できちんと治療することです。「単なる手荒れだから ...」と簡単に考えてしまわず、症状が広がってきたらまずは病院で診断を受けるることも大切です。